ピクサー・アニメーション・スタジオによる、大人気シリーズ「トイ・ストーリー」の4作目です。
1995年に記念すべき一作目が公開されると、幅広い世代の支持を受け長年にわたり愛され続けてきました。
前作「トイ・ストーリー3」が完結編とされていましたが、作品に深く関わってきたスタッフ達による熱心な企画提案により、シリーズの生みの親であるジョン・ラセターの心が動かされたのです。
おもちゃ達は新たな持ち主の元で、どのように過ごしているのか。
果たして幸せなのでしょうか。
おもちゃ達のその後が今回の舞台となります。
あらすじをなぞりながら、解説していきます。
『トイ・ストーリー4』概要
【作品名】
トイ・ストーリー4
原題 Toy Story 4
【公開日】
アメリカ合衆国 2019年6月21日
日本 同年7月12日
【脚本・監督】
脚本 ステファニー・フォルサム
監督 ジョシュ・クーリー
【主題歌】
ランディ・ニューマン 『You’ve Got a Friend In Me
(君はともだち) 』
日本版吹き替え ダイヤモンド☆ユカイ
【キャスト】
ウッディ - トム・ハンクス
バズ・ライトイヤー - ティム・アレン
ボー・ピープ - アニー・ポッツ
フォーキー - トニー・へイル
ギャビー・ギャビー - クリスティーナ・ヘンドリックス
『トイ・ストーリー4』あらすじ
物語は回想から始まります。
かつてのおもちゃ仲間、ボー・ピープはウッディと特別な仲のようでしたが、電気スタンドと共にある男性に貰われていきました。
離ればなれになり悲しむウッディ…。
それから時は流れて、ウッディやバズ達はボニーという少女に貰われていました。
大好きなアンディは大人になり、自分の大切な思い出をボニーへ託したのです。
ですがボニーはアンディのように、ウッディが一番のお気に入りではありませんでした。
ボニーにあまり遊んでもらえず、寂しさを募らせるウッディ。
そんな時、ボニーが先割れスプーンで作ったフォーキーが仲間になります。
幼稚園へ通うことになったボニーでしたが、なかなか友達が作れず心が折れそうになります。
そこで心の支えとして作ったのがフォーキーです。
ボニーは大切に自宅へと連れ帰り、ウッディ達はおもちゃとして生まれたての不安定なフォーキーを、温かく迎え入れました。
ですが困ったことに、フォーキーは自分を「ゴミ」だと言い張り、事あるごとにゴミ箱へ帰ろうとします。
そんなフォーキーをウッディは必死になって世話を焼きます。
ボニーにとって自分が一番でなくても、自分にとって今はボニーが一番だから、彼女の悲しむ顔は見たくない。
優しくて心配性なウッディは、ボニーの為に必死でした。
そんな中、ボニーは両親に連れられてキャンプへと出かけます。
もちろんおもちゃ達も一緒で、フォーキーは移動中の車の中でもゴミ箱へ帰ろうとし、ウッディが阻止するを繰り返します。
業を煮やしたフォーキーは、車から飛び降りてしまったのです。
ウッディはそれを追いかけて、一緒に飛び降ります。
フォーキーと一緒にキャンプ場に行くから、と言い残して…。
その後はバズも二人を探しに出ますが、予想外の出来事に捜索は難航します。
『トイ・ストーリー4』結末ネタバレ
フォーキーは無事にボニーの元へ帰りましたが、ウッディは帰りませんでした。
ボニーの元へ帰る途中で、ボー・ピープと再会したからです。
彼女は自らを「迷子のおもちゃ」と称して、誰か一人のおもちゃになる事を拒んでいました。
離ればなれになった後、ボーがどんな境遇にあったかを知り胸を痛めるウッディですが、その時々で色んな子供に遊んでもらうという今の生活をボーは気に入っているようでした。
そんなボーを否定するわけではありませんが、ボニーを大切に想うウッディは、最後まで彼女のおもちゃに帰ろうとしていました。
そこでバズが諭したのです。
「ボニーは大丈夫だ」
それを聞いたウッディは、おもちゃとして第三の人生を選びました。
ボーと共に「迷子のおもちゃ」として生きていく事を。
なので、もうボニーの元へは帰りませんでした。
『トイ・ストーリー4』ここに注目!
ギャビー・ギャビーという女の子のおもちゃが登場します。
不良品の為、おもちゃとして本来の魅力が発揮出来ずに悲しみ苦しむお人形です。
一人の子供の気を引きたくて、笑顔でその手に取ってもらえることを切望するその姿は、今のウッディに重なるところがあります。
そして、それはかつてのボーの姿でもあります。
おもちゃ達の「愛されたい」という想いが痛々しくもあり、それほど純粋であることが切なく胸に突き刺さります。
おもちゃ達の深い人生観は、アニメーションとて侮れないものがあります。
とは言え子供の楽しみも忘れてはいません。
フォーキーという新キャラクターやダッキー&バニーといった、個性的で爆笑を誘うコミカルさも健在です。
そして最後に目を見張るのが、ウッディとバズの信頼関係です。
ウッディの迷いを、バズはたった一言で払拭してしまいます。
出会いは最悪だった二人だけど、ぶつかり合い生まれた理解者ほど心強い存在はありません。
おもちゃ達、それぞれの持ち味にご注目下さい。
『トイ・ストーリー4』評価と感想
トイ・ストーリー3で完結が良かったじゃないかと、ネット上ではかなり賛否両論です。
確かに、アンディとウッディの物語は前作3で完結です。
本作4はおもちゃ達の物語だと思います。
持ち主が変わり、それが幾度となく繰り返されていくおもちゃ達は幸せなのか、それを掘り下げた作品です。
絶対的なハッピーエンドかと聞かれると正直迷いますが、苦悩の末に選んだおもちゃの生き方を否定も出来ません。
アンディから始まった、おもちゃ達それぞれの旅立ちとこれからを、是非見送ってあげて下さい。